ふくやまっこ家族の会では創薬に向けたアピール力を高めるため、
医学情報登録の数を増やす活動を行っています。
2012年12月、ふくやまっこご家族に情報をお届けできるよう、
以下のリストにある病院に「医学情報登録のご案内」リーフレットとポスターを一斉送付しました。
※送付先の選出方法…小児神経学会の研修施設・遺伝子診療科のある病院・協会HPで紹介されている
専門病院をピックアップしました
今後、さらに多くのふくやまっこご家族に医学情報登録が始まっていることをお知らせできるよう、みなさまのご協力をお願いします。
一斉送付した病院、家族会会員のみなさまのご協力によって設置いただいた施設の一覧です。
▼病院・施設
▼役所関連
上記の送付先リストにないお近くの病院、その他、療育施設・学校・役所等へ
ポスター・リーフレットの設置をお願いいたします。
打診に伺う際にお伝えすること、お聞きすることを忘れないようにするのに便利なメモを用意しました。
どうぞご活用ください。
説明書 兼 メモ用 PDF
また、役所等では個人的なポスター掲出を受け入れていないところがあります。
その場合は日本筋ジストロフィー協会理事長名義の依頼書を用意しましたので印刷してお持ちください。
日本筋ジストロフィー協会理事長名義の依頼書 PDF
(※右肩の日付を見て、使用される月のものだけプリントしてください)
※施設の方針などにより、治験に関する「医学情報登録」のリーフレットは
設置できないと言われる場合があります。
その場合、ふくやまっこ家族の会を紹介するリーフレットなら設置可能かどうか、
合わせて打診をお願いいたします。
設置先の状況、お手持ちのプリンタの機能などに合わせてお選びいただけるよう、
様々なタイプをご用意しました。(書いてある内容はすべて同じです。)
※クリックすると大きな画像が見られます
★A3ポスターが設置可能で、ご家庭のプリンターがA4までしか印刷できない場合はこちらをご利用ください。
※クリックすると大きな画像が見られます
ご家庭のプリンターが両面印刷に対応していない場合は、片面印刷ホチキス留め用をご利用ください。
どちらも三つ折りできるようになっています。
厚生労働省から「精神・神経疾患研究開発費」という予算が出ていて、たくさんの研究者の先生たちが、テーマごとに班に分かれて懸命に研究開発を進めてくださっています。
臨床の現場のことを研究されていたり、患者登録の仕組みについて研究されていたり、治療薬の開発を研究されていたり、テーマはさまざまです。
代表の医師の名前をつけて○○班、となっている文書が、少し検索をするとたくさん出てきます。
筋ジストロフィー全般の治療法研究については
などが研究されています。
福山型の治療法研究で、今薬に一番近いと言われているのが、神戸大学の戸田達史先生たちの研究班が行っている、スプライシング異常を起きないようにする、「エクソントラップ阻害薬」を用いたアンチセンス療法です。2011年10月に、マウスの実験が成功し、新聞の一般紙でも取り上げられました。※→クリックすると拡大します
このアンチセンス療法に用いるアンチセンス核酸というDNAのような構造をした薬の開発が現在研究中で、福山型マウスと、人間のリンパ球、人間の筋芽細胞で治療効果が確認されたそうです。今は、人に投与できる形をしたアンチセンス核酸の設計・開発がすすめられています。
そこで気になるのが、治療薬でどこまで治るのか?どんなふくやまっこに効くのか?ということですね。
現時点では、このように予想されているそうです。
現在開発されているお薬は、「レトロトランスポゾン挿入変異のある遺伝子」に対して効果が見込まれているお薬です。それぞれの遺伝子型の効果については、下のように予想されています。
(「遺伝子型」「レトロトランスポゾン挿入変異のある遺伝子」についての説明は、「福山型先天性筋ジストロフィーとは」のページをごらん下さい。)
2つの遺伝子ともにエクソントラップの阻害効果が期待され、高い効果が見込まれています。
1つの遺伝子に効果があるので、十分に効果が見込まれています。
(保因者が健常であることから、1つの遺伝子に効果があれば、十分な効果が得られると予想されています)
ホモ型の子でもヘテロ型の子でも、お薬の効果が十分見込まれているようですね!
症状の重さや進行度合いに対してどのくらい効くのか、などについても知りたくなってしまいますが、そのあたりは今後の研究と治験の成果が待たれるところだそうです。
今は拘縮予防のリハビリなどでできるだけ現状維持に努めながら、お薬の完成を待ちたいですね!
マウスや人間のリンパ球、人間の筋芽細胞で効果が確認されて、人に使用できるアンチセンス核酸を開発する今の研究が順調に進んでも、実際にふくやまっこに投与してみないと、効果や副作用の検証はできません。
その検証を行なうテストが「治験」です。治験とは、国からお薬の承認を受けるために行なう臨床試験で、毒性や人での効き目(有効性)や副作用(安全性)などを確認します。
今、一歩先に研究が進んでいるデュシェンヌ型筋ジストロフィーでは、全世界で約180人の患者さんに治験が行われるそうです。
福山型においては、神戸大の戸田先生の研究チームによって動物でのお薬の有効性が確認された所です。現在は治験を目指して人に投与できる形をしたアンチセンス核酸の設計・開発がすすめられている所です。
また、日本筋ジストロフィー協会でも、「神経・筋疾患医学情報登録・管理機構」を立ち上げ、治験を行なうために必要なふくやまっこの遺伝子情報・医学情報の登録の受付が開始され、少しずつ、治験の準備が始められています。
福山型の医学情報登録は、「日本筋ジストロフィー協会(以下、協会とします)」が立ち上げた「神経・筋疾患医学情報登録・管理機構(以下、機構とします)」が受け付けています。登録の費用は無料です。(ただし、書類の郵送費用は自己負担です)
医学情報登録をするには、
かかりつけの医師に書いてもらいます。
医学的な情報、生活の情報(運動・知能の発達状況、脳波異常・けいれんの有無、心機能、呼吸機能、嚥下など)について、選択肢にチェックを入れる形式です。
●確定診断時に遺伝子検査をした方
その時の検査結果の報告書が使えます。報告書が手元にない場合は、検査をした病院からコピーを受け取って下さい。
●遺伝子検査をした事のない方
採血をして遺伝子検査をする必要があります。(検査費用は保険がききます。D006-4、現在は4000点です)
※必要に応じて、遺伝カウンセリングを受けて下さい。
※遺伝子検査はすべての医療機関で行なっているわけではありませんので、かかりつけの病院で遺伝子検査ができるかどうか、まずは主治医にご相談ください。
※ヘテロ型の場合、点変異している方の遺伝子情報の詳細までわかっていなくても登録は可能です。
当初、登録情報の事務処理やデータベースの管理にかかる費用は協会が負担していること、事務処理の人手不足の問題があったため、登録にあたっては協会の入会が必要という事になっていました。
ですが、その後「登録数を伸ばすことを優先する方が最終的にふくやまっこのためになる」ということで、12年7月より協会への入会が必須ではなくなりました。(機構HPより:会員要件の撤廃のお知らせ)
しかしながら、運営は協会の会費でまかなわれていることには変わりありません。まだ入会されていない方は、この機会に、ぜひ協会とその分科会である「ふくやまっこ家族の会」へご入会ください。
このホームページでは、協会に入会すると、協会員のみに限定公開の「ふくやまっこのお困りごと解決ノート(ふくやまっこのお世話に関する医学情報、Q&A、お役立ち情報などを掲載予定)」というコンテンツをご覧いただけるメリットもあります☆ ぜひぜひ入会をお待ちしております!
「治療の研究はここまで来ています」ページでご紹介した通り、現在は動物でお薬の有効性が確認され、次は人間での有効性と安全性を確認する「治験」を目指して準備が進められている段階です。
日本筋ジストロフィー協会では、「神経・筋疾患医学情報登録・管理機構」を立ち上げ、福山型患者の遺伝子情報と臨床医学情報の登録受付をスタートしました。患者団体として、治験の動きをサポート・促進するのが大きな目的です。
ちなみに、「患者登録」「遺伝子登録」「医学情報登録」等の表現がありますが、すべて同じ登録を指しています。機構の新規文書やこのホームページでは「医学情報登録」という言葉を使っています。
医学情報登録では、大きく分けて「遺伝子情報」と「臨床情報」を登録します。
具体的には、
■臨床情報とは・・・現在の体の状況(運動・知能の発達状況、脳波異常・けいれんの有無、心機能、呼吸機能、嚥下など)についてです。
※治験にお金を出す国や製薬会社に対して、登録されている情報は、「新しい情報(=約1年単位で更新された情報)であり、正しい(=医師が証明したもの)である」ことを伝えなければいけないため、1年おきに登録情報の更新が必要となります。
なお、一人ひとりの更新時期に合わせて、機構から更新用書類が届きます。更新書類の提出期限はございません。冬場受診を避けているなど、ご事情のある方は、一番近い日程の受診のタイミング等で作成、ご発送ください。
毎年お手数をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
現在治験スタート時期は明確になっていませんが、いざ治験がスタートできる段階になった時に、すぐに治験対象患者を選び、連絡ができるようにするため、前もって、現在どのような患者がいるのか、また、治験を希望しているかどうかを把握するために登録が始まりました。
お薬を、どんな年齢の子、どんな症状の子に、どのくらいの量投与するのかなど、安全に治験を行なうためには、様々な事前準備が必要となります。それらを研究するためには、まずは現在いる福山型患者の症例を検証する必要があります。
そのためには、小さいふくやまっこから大きなふくやまっこまで、広い年齢層の臨床医学データと、登録更新による症状の推移のデータが、あればあるほどよいそうです。 (現在登録目標数は200です)登録した遺伝子情報と臨床医学データは、安全なお薬の開発に役立てられます。
「治験」には、莫大な費用がかかります。そのため、製薬会社も患者数の少ない希少疾患のお薬の開発には積極的でなかったりします。行政に対しても、「お薬を待っている患者が多い」ということが、承認スピードアップへの後押しとなります。
ですが、福山型の患者数は、実は正確な統計がとられていません。つまり、登録をするふくやまっこの数の多さが、治療薬開発に不可欠な、行政・製薬会社に対する患者数アピールの一番わかりやすい手段となるのです。
現在、一足先に治験の段階まで進んでいるデュシェンヌ型筋ジストロフィーでは、グラクソ・スミスクラインという大きな製薬会社が手を上げてくれたことで治験の実現が早まりました。福山型についても、同じように行政・製薬会社に、ふくやまっこの人数と症状の実態をアピールし、働きかけていくことが必要不可欠です。
研究開発が進むこの数年の間に、できるだけ医学情報登録数を伸ばし、ふくやまっこの患者数をアピールできる体制を整えることが、何よりの治験のサポートとなります。そのためには、ふくやまっこ家族が団結して行動して行く事も必要となって来るかと思います。
とはいっても、実際に「治験」となると、躊躇される方も少なくないと思います。ですが、医学情報登録=治験を受ける約束、ではありません。医学情報登録用紙には「治験情報の提供を希望しますか?」という欄があり、「情報は必要ない」を選択すれば、治験を受けたくないという意思表示も可能です。
上に書いたように、医学情報登録にはいろいろな目的がありますので、治験を受ける意思はないが薬の開発・患者の存在アピールには協力したいという方の登録も、とても大切です。
様々なお家の状況があり、考え方があるので、医学情報登録はしたくない、治験は受けたくないという考えも、もちろんあるかと思います。でも、もし治験には関心がない方でも、「福山型のお薬の完成に協力したい」「ふくやまっこの存在アピールはしたい」というお気持ちのある方は、ぜひぜひ登録をお願いできればと思います。
神戸大学の戸田先生たちのグループによって、動物でお薬の有効性が確認され、お薬の開発のための「治験」ができる可能性が少しずつ見えてきました。
中には、このまま何もせずお薬の完成を待っているだけでいいのかな、自分に何かできることはないかな、と考えた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「どうして医学情報登録が必要なの?」でも書きましたが、「治験」には、莫大な費用がかかります。そのため、製薬会社も患者数の少ない希少疾患のお薬の開発はなかなか利益が見込めないため、積極的でなかったりします。また、行政に対しても、待っている患者がたくさんいると伝えて行かなければ、お薬が完成してもなかなか承認されない可能性もあります。
ですが、福山型の患者数は、実は正確な統計がとられておらず、現在のところ、行政や製薬会社に「たくさんのふくやまっこがお薬を待っている」という事が伝わりにくい状況となっています。
ですが、治験が始まるまでにふくやまっこの医学情報が多く集まっていれば、「たくさんのふくやまっこがお薬を待っている」ということを製薬会社や行政にアピールすることができます。
つまり、「登録数が多い」ということが、「お薬を待っている患者が多い」というアピールの一番わかりやすい手段となるのです。
また、登録した情報は治験計画を立てる時にも役立てられます。お薬を使う前の状態はこうでしたという記録は、お薬の効果を評価する際にも重要になった例があるそうです。つまり、治験が間近になった時に、統一されたフォーム(書式)で、お医者さんと一緒に書いた正確な内容の臨床情報(遺伝子の情報も含む)を集めてあるということが、治験の手助けになるのです。
もちろん病院のカルテにも情報がありますが、カルテの保管義務は5年で、それ以上保管されている保証がないため、医学情報を登録することによって、確実に記録を残すことができます。
さらに、治験や治療薬の開発を待ち望むふくやまっこと家族に、もれなく治験の情報が届くことはとても大切なことです。治験が始まってから、「対象者の選択方法は不公平だったのでは」という疑問が浮かばないようにしなければなりません。登録活動は、治験の公平性を保つための新しい試み(システム)でもあるのです。
もし今、ふくやまっこ家族が治験をサポートするために何かできるとしたら、「登録数をできる限り伸ばすこと」ではないでしょうか。
もし、登録をするつもりで先延ばしになっている方は、ぜひぜひ登録の手続きをお願いいたします!!
ちなみに、登録をすることは、イコール「治験を受けたい」という意味ではありません。治験を受けることは考えていなくても、お薬の開発には協力したいという方がいらっしゃるなら、「お薬を待っている人がいる」という意味を込めて登録することも、1つの応援サポートとなります。
また、登録が始まっている事を知らないパパママさんも、いるかもしれません。その人たちに向けて、広くお知らせをして行くことも、登録数を伸ばす1つのやり方になるかと思います。
他にもきっといろいろなやり方、工夫があるだろうと思います。でも自分1人だけでは勇気も出ないし、何もできません。でも、お薬の完成を望むふくやまっこ家族が集まって協力し合えたら、もしかしたら大きな治験の後押しができるかもしれません。そう考える家族が集まって、「ふくやまっこ家族の会」はできました。
福山型と同じように患者数の少ない、ムコ多糖症という難病のお薬は、、海外では承認されていたのに、日本では承認されておらず使用できませんでした。それが異例の早さで承認されたそうですが、家族のみなさんが協力しあって承認をプッシュし、家族の活動を支援するアーティストが社会へ働きかけたりした結果だそうです。福山型のお薬は、海外にもないので、同じ状況ではありませんが、みんなで協力することがとても大きな力になったという例だと思います。
今後治験が終わって承認のステップに進んだ時も、同じように家族の力を合わせて行政や社会へ働きかけていく必要があるかもしれません。そのためにも、今のうちから、ふくやまっこ家族が集まって仲良くなっておき、「いざという時には力を合わせられる体制作り」をすることも、今、私たちにできることではないでしょうか☆
これからまだまだたくさんのご家族のご参加とご協力を必要としています。もしよろしければ、「ふくやまっこ家族の会」への入会もお待ちしております!
▼「ふくやまっこ家族の会」入会方法はこちら
ふくやまっこ家族の会では、計算上の推定患者数2000〜3000人の1割ということで、登録数の目標を「200件」に設定しておりましたが、みなさまのおかげで登録数は目標の200件を超えました。そこで、さらにアピール力を上げるため、登録目標数を300に上方修正します!
ちなみに2018年4月30日時点での登録数は240件です。
さらに300件を目指してみんなで力を合わせて行けたらいいですね!!