わが子がふくやまっこだとわかった時に、福山型の事をよく知っている先生に診てもらいたい、そんな先生はどこにいるのかな?と最初に考えるパパママは多いのではないでしょうか。ここでは、ふくやまっこ(または筋ジストロフィー)を専門的に診てもらえる病院をご紹介します。
ふくやまっこパパママの間では通称「女子医大」と呼ばれていて、東京都新宿区にあります。
福山型先天性筋ジストロフィーを発見した福山幸夫先生がいらっしゃった大学病院なので、ふくやまっこの診察にはとても古い歴史があります。
ふくやまっこのなりやすい症状とその対処、必要な検査、リハビリ、医療的ケアなどなど、長年積み重ねて培った知識とノウハウがあります。
地方にお住まいの場合、ふくやまっこを診たことのある先生があまりいなくて、不安になってしまうケースはよくある話です。最寄りのかかりつけ病院でははっきり答えてもらえなかったパパママの疑問が、女子医大の受診でスッキリすることも多々あるようです。
そのため、遠方から女子医大を受診しているふくやまっこもたくさんいます。せっかく遠くから行くんだからと、ディズニーランドとセットで計画して女子医大を受診している家族もいらっしゃいますよ☆
右の写真は東京女子医大のミオパチーグループの先生方です。
お花を持っている先生が、長年ふくやまっこの診察をされて来た大澤先生で、2013年3月に退任されました。
ちなみに、女子医大には遺伝子医療センターがあり、専門的な遺伝カウンセリング、福山型の出生前診断も行なっています。
かかりつけの主治医から「小児科 石垣景子先生」宛てに紹介状を書いてもらい、
電話で受診予約をします。
※なお、遺伝カウンセリングを含む受診を希望される方は、「遺伝子医療センター 齋藤加代子先生」宛てとなります。
※筋疾患が疑われている方、筋疾患と診断を受けた方は、
予約の際に、その旨を予約センター担当者にお伝えいただくとスムーズです。
※基本的には外来担当医→神経・筋外来の担当医と2段階の受診ですが、
病院から遠方にお住まいの方等、複数回の受診が困難な場合には
状況によりご相談に応じてくださるとのことです。
筋ジストロフィー協会顧問の埜中征哉(のなか いくや)先生のいらっしゃる病院で、東京都小平市にあります。
「筋疾患センター」という、専門医が筋疾患の診療、リハビリを行なう専門外来があり、50名以上の専門医、スタッフが診療や研究にあたられています。
デュシェンヌ型の遺伝子治療については、研究および治験の中心でもあり、筋ジストロフィー全般にとても詳しい病院です。日頃の疑問や医ケアの方法などについても、いろいろ相談することができます。
また、定期的に筋ジストロフィーについての市民公開講座も開催されています。
かかりつけの主治医から「小児神経科 埜中征哉先生」または「小児神経科 小牧宏文先生」宛てに紹介状を書いてもらい、電話で受診予約をします。
※筋疾患が疑われている方、筋疾患と診断を受けた方は、
予約の際に、その旨を予約センター担当者にお伝えいただくとスムーズです。
※また、病院から遠方に居住の方で入院での検査、治療が必要な場合には、
外来受診を経ずに入院する手配も、状況によりご対応していただけるそうです。
その他、全国には筋ジストロフィー協会が紹介する国立病院機構、大学病院などがあります。
福山型の診断をしてもらった大きな総合病院・大学病院とは別に、近所に信頼できる「町の小児科」を見つけておくとよいです。
大きな病院は予約制だったり、待ち時間が長かったりしますし、ふくやまっこは季節の変わり目や冬場、夏風邪のシーズンなどなど、何かと体調を崩したりしやすいですので、大きな病院に行くほどではないけど、ちょっと風邪薬を出してほしい、咳止めがほしい、などといった時に診てもらえる所があるとよいです。
定期的な診察、検査、大きく体調を崩した時は大きな総合病院・大学病院にかかり、ちょっとした風邪、予防接種などは町の小児科というふうに使い分けるママさんもいます。町の小児科だと午後診があるので、夕方遅めの時間でも診てもらえることもメリットです。
その他に、耳鼻科・歯科・眼科なども見つけておけるといいですね☆ 療育施設などで知り合いのママさんがいるなら、地域で持病のある子どもをよく診ている病院を知っている場合もあります。持病のある子どもに慣れていなくても、小さいうちから通って、先生と顔なじみになっておくとふくやまっこに慣れてもらえるので、話をよく聞いてもらえる相性の良い先生のいるかどうかが病院選びの大事なポイントになります。
ふくやまっこは成長とともに、膝の拘縮(こうしゅく)、足首の内反足(ないはんそく)、背中の側湾(そくわん)などが出て来やすいですので、小児科だけでなく、整形外科もとても重要です。
※ちなみに、「拘縮:関節などが固まって動きにくくなること」「内反足:足の裏が内側を向いて変形すること」「側湾:背骨が曲がること」という意味です。
医師によっては、いずれ変形はしてしまうのだからと、リハビリや装具の作製に積極的でない場合もありますが、体の変形がひどくなると呼吸に影響したり、着替えが難しくなるなど、生活がしにくくなったりすることもあります。また、お薬の治験が近い今、できるだけ体の変形は最小限にとどめておきたいところでもあります。
そのため、小さいうちから定期的に診察してもらい、できるだけ変形をしないように予防的なリハビリ、装具・座位保持椅子の作成などをしてもらえる病院を見つけておくことが重要です。現在かかっている整形外科の先生がよい先生なら大丈夫ですが、もし物足りなさを感じているならば、他の整形外科も探してみてはいかがでしょうか。
また、現在通っているリハビリが物足りなかったり、今の内容でいいのかな??と思える場合も、他の病院や施設のリハビリを受けてみるとまた違ったリハビリをしてくれたり、違う視点からの意見が聞けたりしてとても参考になります。
他に整形外科を探す場合は、「小児整形・小児リハ」をしている病院がおすすめです。一般的な整形外科は数多くあっても、小児整形をしている整形外科はそれほど多くないようなので、地域によっては見つからない場合もあるかもしれませんが、他のふくやまっこママさんや療育施設にいる先輩ママさんがどこの整形外科に通っているか聞くと参考になるかと思います。
※病院によって、整形外科ではなくリハビリテーション科などになる場合もあるそうなので、病院に確認の上受診してください。
療育施設、上に紹介した国立病院機構、地域の病院など、いくつかリハビリをかけ持ちしているママさんもいますよ。(ただし、自治体によってかけ持ちができない地域もあるようですので、一度ご確認ください。)
福山型は遺伝の病気ですので、ふくやまっこの下の子の妊娠を考える時など、遺伝について不安を感じたり、相談をしたいパパママも多いかと思います。
そんな時は、「遺伝カウンセリング」を受けてみてはいかがでしょうか。
遺伝カウンセリングでは、生まれつきの病気や遺伝する病気などについて、患者やその家族が遺伝に関する正確な情報を理解して、納得の行く自己決定ができるように手助けをしてくれます。
外来の診察ではなかなかゆっくり医師と話すことはできませんが、遺伝カウンセリングでは30分から1時間程度、時間をかけて説明を受けることができる病院が多いですので、抱えている悩みや心のストレスの事も話しながら相談して行くことができます。
病院ごとに診療内容は異なりますが、遺伝についての専門知識のある医師が担当し、完全予約制という病院が多いです。なお、遺伝カウンセリングは自費診療となり、健康保険は使えません。(金額は病院ごとに異なりますので、ご確認下さいね)
遺伝カウンセリングを行なっている病院は限られていますので、以下の検索サイトで、お住まいから最寄りの病院を探してみて下さいね。
▼登録機関遺伝子医療体制検索・提供システム
※エリアから選択、または疾患分類から「神経・筋疾患」を選択して下さい。
また、福山型では血液採取によって遺伝子型の診断をする事が可能ですが、その検査を受けた事がない方も、遺伝カウンセリングを受けた上で検査する事が可能です。(現在、福山型の遺伝子検査は保険適用になっています。)
治験に向けての医学情報登録をお考えで、遺伝子検査をされていない方は、一度遺伝カウンセリングをご受診下さい。