2013年2月9日(土)〜10(日)に筋ジストロフィー協会のイベント「ふれあい親子キャンプ〜福山型の家族のために〜」が開催されました!
開催概要は下記の通りです。
2/9(土) | 2/10(日) | ||||
13:00 | 集合 | 9:00- 10:00 |
【講演3】 呼吸リハビリテーション |
八雲病院 石川先生 |
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13:00- 14:00 |
オリエンテーション | 10:00- 11:00 |
【体験2】 呼吸リハビリテーション |
八雲病院 石川先生 |
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14:00- 15:00 |
【体験1】 親子で楽しむ音楽療法 |
音楽療法士 瀧田先生 |
11:30 | 写真撮影等 | |
15:30- 17:00 |
【講演1】 福山型の日常管理 |
東京女子医大 石垣先生 |
12:00 | 解散 | |
17:00- 19:00 |
夕食会 | ||||
19:00- 21:00 |
【講演2】 福山型の研究開発 |
神戸大 戸田先生 |
福山型のご家族以外にも医師5名、看護師2名、理学療法士2名、保育士3名、音楽療法指導員2名、筋ジストロフィー協会スタッフ3名がご参加下さり、総勢116名の大変にぎやかな会となりました。
また、NHK水戸の取材を受けているご家族がいらっしゃり、2月9日終日、NHKのカメラも入りました。
初日はお昼過ぎに受付後、筋ジス協会副理事長の開会の挨拶で始まりました。
続いて参加者全員の自己紹介をしました。最初に他の家族のことを知ることができたため、後々話しかけやすくなりました。
音楽療法では歌や音楽に合わせて体を動かしたり、声を出したり、楽器を鳴らしたりして楽しみました。
ふくやまっこには音楽が大好きな子が多いようですね。うちの娘もタイミング良く声を出したり楽器を鳴らしたりするのは難しいけど、マイペースで楽しんでいる様子でした。
親子で楽しんだ後はお勉強。
子供達は保育室や部屋の後ろで遊び、大人は先生の講演を聞くというようにわかれました。
☆1日目の講演会の間は、保育士さんに子どもたちを見ていていただきました!
東京女子医科大学の石垣先生から日常管理についてのご講演でした。
ふくやまっこに起こり得る症状の注意点をわかりやすく教えていただきました。
対話形式で疑問にも丁寧に答えて下さり、どれも重要で日常的に役に立つお話でした。
この内容については今後、協会会員限定ページで公開する予定です。
遠方からのご参加の方は帰られましたが、ほとんどのご家族が残って早めの夕食をとりました。
さすが専門施設だけあって、刻み食やミキサー食も対応可能で、ふくやまっこもお父さんお母さんも食事を楽しんでいました。
食事中に、筋ジストロフィー協会理事長からの挨拶もありました。
食後、再度集合して神戸大学の戸田先生のご講演がありました。
福山型の遺伝子の仕組みと症状のこと、そして遺伝子治療の研究開発の現状を教えていただきました。
遺伝子の異常個所を覆う薬、3種類(AとDとE)を混合して福山型の遺伝子を持つマウスやヒトの細胞にかけると、遺伝子の異常によって生成されなかった糖鎖が生成されるようになったそうです。即ち、3種類の混合薬で福山型の筋肉の症状の改善が期待できるそうです。
今後はこの薬の毒性や効果的な配合を考えるための7つの検証(A・D・E・AD・AE・DE・ADE組合せでの検証)を行うのがベストですが、1つの検証でも莫大なお金がかかるため、1種類で治療可能な薬を開発中だそうです。
検証が終わると、次は治験に進むそうで、戸田先生からも、「治験には患者数が大きなアピール要素になるため、筋ジストロフィー協会で進めている医学情報登録にご協力下さい」というお話がありました。デュシェンヌ型で実際に筋ジストロフィーの治験が始まっている現在、福山型も治験開始に向けて登録数を増やすことが重要だと改めて感じました。
ちなみにこの日、NHK水戸の方々が取材された内容は2月27日の「ニュースワイド茨城」で放送されたそうです。こういった機会にふくやまっこのことを多くの皆さんに知っていただき、治験、創薬に向かう力になると良いですね。
2日目は呼吸器管理の内容が行われました。大きなふくやまっこのご家族にもとても興味深い分野だそうで、石川先生を目当てに2日目だけ参加されたご家族もいらっしゃいました。宿泊せず一度帰られて、翌朝もう一度来られた家族もいらっしゃいました。
国立病院機構八雲病院の石川先生から、呼吸リハの実際の様子等を交えて、呼吸器管理のご講演がありました。
フィリップス社の呼吸管理機器の実機をたくさんお持ちくださり、ご担当の方が最新の機種の状況などもご紹介くださいました。
呼吸管理機器は一度「苦しいもの」という印象がついてしまうと導入が難しくなるため、適切な時期に、専門の先生に習いながら導入していくことが大切であることがよくわかりました。排痰が苦手な子も多いので、カフアシスト等の機械は心強い味方になりそうです。
石川先生のご講演とフィリップス社のご説明の後、東京女子医科大学病院理学療法士の安達先生も交えて、排痰のための徒手介助の講習もしていただきました。講習時は一人ひとり丁寧にお話を聞いて下さり、その子に合った咳介助方法等を教えて下さいました。
徒手介助や肺活量を増やすための練習方法などの訓練を中心に質問されているご家族がいる一方で、実際の機械や吸引等の医療的ケアについて多く質問をされているご家族もあり、それぞれのニーズに合わせて熱心に先生のお話を聞いていました。
☆フィリップス社の方が熱心に説明してくれました!右は呼吸管理機器につながるマスクです。いろいろな種類があって、患者ごとに合ったものを選ぶ事ができるそうです。
今回は100人近いご家族が集まり、大変にぎやかな会でした。「他の福山型ご家族と会うのは初めて」という方もいらっしゃり、休憩時間や解散後にロビーや食堂で交流されるご家族も多くいらっしゃいました。
こんなに多くの人数が一度に集まるのはなかなか難しいとは思いますが、数家族ずつでも集まる機会を増やしていって、ゆっくり交流できる機会もあると良いですね。
以上、家族会スタッフ「けい0712a」からの報告でした!